自分が中学生時代に熱狂していた漫画SLAMDUNKの感想文です。
誇張なしに台詞全部覚えていた。実際名言が多すぎる。「ディフェンスに定評がある池上」「まだあわてるような時間じゃない」
『スラムダンク』
- 全てのスポーツ漫画はスラムダンクに通ず
- 以下感想
全てのスポーツ漫画はスラムダンクに通ず
ネーミングセンスが神
ナルトとサスケ、悟空とベジータ、ゴンとキルア、ジョナサンとディオ、一護と雨竜、銀時と土方。。。少年ジャンプの漫画といったら熱血(?)主人公と対になるクール(?)なライバルのシンメの存在が不可欠なのでスラダンのシンメである桜木花道と流川楓の名前が素晴らしい話をしても良いですか?(おたく特有の名前褒め)
それぞれ名前に植物である桜と楓の字が使われていることから、花道くんは"桜"、ルカワは"楓"がモチーフであることが伺えます。季節のイメージが春と秋であるという対比。そして秋になると赤く紅葉する楓は花道くん(イメージカラーが赤)の存在がルカワのバスケ人生を色付かせたと受け取ることもできますし、桜が儚く舞い散る様子はまるで選手生命が数ヶ月で途切れてしまう花道くんを喩えているかのようです(山王戦での怪我後の花道くんがどうなっているかは我々読者は知り得ないが。。)。。
ほぼスラムダンクであるハイキュー!!も"日向"翔陽と"影"山飛雄だもんね(影は日向でしか伸びない。。)。
キャラ設定が神
- 主人公の桜木花道くん
運動神経が良い初心者。赤髪というのがまた良い。今でこそ少年スポーツ漫画の派手髪イケメンキャラ増えたけど当時聖闘士や魔法少女でもない限りみんな黒髪だったんじゃないですか?知らんけど。 - 宮城リョータと三井寿
花道くんの良い兄貴分であるお二人。初期メン以外のスタメンのキャラ立ちがしっかりしていて魅力的(だがしかしフィクションぽすぎない)なのがスラムダンクの良いところですね。
SELFISH流川に対する心情が、リョーちんは「1年にしちゃすごいと思っていたがこれほどとは…!」だったのに対してミッチーは「普段はクソ生意気でにくたらしくて無口で無愛想で生意気で無口な野郎だが」なんですよ。「EASYだな」とか言ってしまうキザで胆力のあるリョーちんと大人気なくて我慢弱くてねちっこいミッチー(無口2回言ってますけども)。
途中参加理由がそれぞれ"入院"、"中学バスケ界のMVPだったが怪我のためグレていた"ですが、これがまた上手いというかさ。赤木ワンマンの弱小校から全国制覇するためには良い1年生が2人入ったところで限界があるので、元からバスケ上手かった2・3年のメンバーをどう捻じ込むかの理由付けがちゃんとリョーちん・ミッチーの人となりに即しているしストーリー的にも面白くて最高。そして最強メンバーがだんだん揃っていく様子はジャンプ読者としてはアツい展開ですよね(cf:ワンピースの仲間集め)。 - 木暮公延と赤木剛憲
ゴリの精神が裏主人公すぎる。私含めて大多数の人間は全国制覇ノリについていけず部活辞める側の人間だと思うのですが、1年の頃からずっと全国を夢見て努力し続けていたゴリは"普通の"人間でないしやはりゴリラの気持ちは人間にはわからんのですな(cv:花道くん)。
そしてそんなゴリマインドについて行ける木暮先輩も尋常じゃないですよ。ゴリと違って身体能力的にも全国レベルでないのに、全国制覇を信じて努力し続けられる木暮先輩というキャラクターの存在がスラムダンクの面白さにより一層深みを与えていますよ。。Tシャツいつも変だし。。 - フジイさんとマツイさん
フジイさんは良い意味で普通の女の子。ちょっとシャイ。マツイさんは図太くて正論しか言わないツッコミ役(絶対MBTIの三文字目はT。マツイさん大好き)。
スラムダンクは他校のスタメン含めて登場人物のキャラクターやバックグラウンドが見えやすすぎて凄い。フォーカスストーリーはもちろんセリフ自体もほとんどないのに。バスケの人数が5人で登場人物が多すぎないから可能なところもあるかもしれないが。 - 水戸洋平
スポーツ漫画でこんなにも外野(そのスポーツやってない)のキャラが人気なことある?主人公である花道くんにとって都合が良すぎる存在すぎるのに読んでいて「何だこのお助けNPCキャラは」と白けないのは水戸洋平がかっこよすぎてしまうからのお陰では。襲撃事件の時の軍団とかさ。。「やっちまいました。」で謹慎処分受けるの何???軍団何も悪くないのに。。カッコ良すぎるでしょ。。
「あいつを関わらすな」もだしさ、バスケのこと神格化しすぎているというか、価値があるものは喧嘩の世界<<<<<バスケの世界でこの漫画はバスケ至上主義なんだなって(当たり前体操)(バスケ漫画なので)。 -
彦一
スポーツ漫画あるあるな情報通キャラ。姉は記者。テニプリとかジャイキリとかスポーツ漫画は普通に記者が出てくるのである、解説要員として。
試合のテーマが神
因縁のライバル校とか、計算外の男とか、大黒柱の不在とか、スポーツ漫画の金字塔すぎる。
- 練習試合
花道くんが正式に入部し、バスケットマン桜木になったところで陵南との練習試合をねじ込まれる。
花道くんは初心者の1年生だから因縁とか何もないがゴリと魚住の間で因縁がある高校である(やはりゴリが主人公なんか…?)。
そして巨大ライバルである仙道彰の登場。 - 地区予選初戦
湘北バスケ部にバスケが上手いリョーちんとミッチーが加わり、客観的に見ても強いチームに。
そして花道くんが退場しまくりスランプに。 - 強豪との試合①
スランプから立ち直り、花道くんのリバウンドの才能が開花。 - 強豪との試合②
大黒柱(ゴリ)の不在という状況下での主人公の成長。
コソ練で成長スピードが早すぎる主人公。 - 強豪との試合③
因縁のライバル校との再戦。
作中でも1,2を争う才能を持つが全国大会に出場できない選手、仙道彰(及川さん?)。 - 全国大会
念願の全国大会。IH連覇中の山王に勝つことで実質制覇している。
以下感想
「バスケットは…お好きですか?」(#1-6)
たった数話の導入部でも井上雄彦が天才であることがわかる。
🏀メインキャラの紹介と関係性(矢印の向き方)
- 桜木花道
・幼児性:「好きな人と手を繋いで下校すること」が夢、鳴き声が「ふぬ」である、すぐ泣く(晴子さんとの思い出の体育館を思い出してる時も上目遣いで泣いている)
・バスケに必要な能力(運動神経とか):ジャンプ力、反射神経、体力、スピード、怪我を恐れずボールを取りに行く精神、能動的に考えて行動できる主体性、ゴリからボールを奪い取りダンクできる怪力
・根性:50人に振られても告白し続ける根性 - 流川楓
・バスケ(と後に終生のライバルとなる花道くん)にしか向かない感情の矢印:晴子さんの顔と名前は覚えてないくせに花道くんのことは一瞬で覚えるんですね。しかも花道くんvsゴリのバスケ勝負を気になって見に行くんですね。(みにくいwww)
・手の早さ、暴力性:堀田先輩が可哀想でしょ。。
・負けず嫌い、いじっぱり:やられたらやり返す
・唯我独尊:「何人たりともオレの眠りを妨げる奴は許さん」 - 赤木晴子
・バスケ愛:体格が良い花道くんをバスケ部に勧誘しようとするバスケ愛
・ミーハー:ルカワくんのことが好き♡きゃー♡
・鈍感:噂に振り回されないし自分の考えで物事を判断できる良い子。後に親衛隊が花道くんの悪口言ってた時も言い返してるし。そして花道くんからの好意に何も気付かない。まるでこの漫画は惚れた腫れたの結末は有り得ないと言っているかのように。。
🏀ストーリー構成
- モテない不良の花道くんが晴子さんを通じてバスケットに興味を持つ
→三年の校舎で晴子さんの兄の存在を仄めかし、花道くんの不良・おばかエピソードを挟む
→ちょいちょい話に出てくる「流川」のことを晴子さんに聞き、流川が片思いしているバスケ選手であることを知る
→流川とのファーストコンタクト
→バスケットにムカついていたところにちょうどシオとヤスがボールぶつけてしまい揉める
→なんやかんやでバスケ部主将のゴリとシロート花道くんのバスケ勝負が始まってしまう
→厳格でバスケを愛しているゴリのキャラクター性や花道くんの眠っているバスケの才能を描く
→勝負後、似ていない兄妹をオチに使う - というストーリーの流れが無駄なく綺麗にこの話の主軸を紹介していて天才。
「リバウンドを制するものは試合(ゲーム)を制す」(#7-24)
この頃から目標(=入部を認めさせる)ために努力ができる根性と何をすれば良いか考えられる頭と行動力がある花道くん。
🏀バスケットマンとしての目覚め
- 基礎練が嫌な花道くん
一回バスケ部辞める!って練習中体育館から出て行ってしまうんだよね。この時にまた体育館に戻れたのは晴子さんの悲しい顔を思い出したからで、まだやっぱり"バスケ<晴子さん"なんだよね。。
「洋平、オレちょっと用事思いだした。いっていいか…」って言って体育館に戻る花道くん素直じゃなくて可愛い。赤は「止まれ」だ!!!
ちゃんと体育館に帰った後も木暮先輩とアヤコさんによしよしされる花道くん可愛い。あとアヤコさんが花道くんのことフルネームで呼ぶの好き。 - 初めての試合観戦
1年vs2,3年で練習試合することになった湘北バスケ部。練習中のミニゲームといっても花道くんにとっては初の観戦で、これがきっかけで花道くんはバスケのこと好きになるんだよ。ルカワのプレイに目を奪われ、"晴子さん<バスケ"になった瞬間、つまり花道くんをバスケの世界に引き摺り込んだのは結局ルカワなんだよ。。。ライバル尊。。
試合中のゴリのプレイに感心する花道を見るアヤコさんの視線が愛おしい。我々と同じ心境。
🏀庶民シュート
- シュート練の基礎に入り、ルカワにお手本を見せてもらうこととなった花道くん。
犬猿の仲というか、花道くんが一方的にルカワに対抗意識を持っているからお手本見せられるなんて屈辱的な行為に黙っていられるわけがなく、案の定喧嘩が勃発してしまう。。そこで「シュートがうまくいかなくていらいらしてたんだ…もう一回お手本見せてくれよ」って殊勝になる花道くん、晴子さんにも「エライワ!」って赤子扱いされているし、ルカワもちょっと前までは「なんでどあほうのために。。」って不貞腐れたのに「いーけど」と一回許されていて可愛い(その後体全体がすべってしまう)。 -
晴子さんとの朝練でレイアップシュートが入るようになった花道くん。
晴子さんのアドバイス「おいてくる」って前日の練習時に木暮先輩も言ってたんですが。。全く人の話を聞いていなくて非常に子供すぎる。
ゴリも最初の頃から花道くんのこと「まるでガキだな」とか「小学生か」とか「コドモ」とか「超ワガママ」とか言っていて、ルカワのプレイに感化されて試合に出たいと駄々を捏ねる花道くんのことを「人間的に問題がある」と安西先生に紹介していたり、花道くんがまだ成熟しきれていない15歳の子供であることを実感しているんだよね。
だから陵南との練習試合までに必ず身につけてほしいリバウンド技術を教える際に、やる気にさせるために「リバウンドを制するものは試合(ゲーム)を制す」と煽たり、言っても聞かないからパブロフの犬形式(ちが〜〜〜〜〜う)で教えているんだと思うよ。
最終回らへんでも晴子さんが言っていた通り、ゴリの性格上、頭が良いからこういう扱い方をしたら言うこと聞くかなとかは理解るだろうけど実際行動に移すのは厳格でプライドが高いゴリにとっては苦手なことだろうに、花道くんへの期待、及び自身の夢のために自分が折れてるんだよ、大人だよゴリ。 - 朝練で花道くんが高くジャンプしているのを見て「ちょっと悔しいな」という感想が出てきてしまう晴子さんが良すぎる。バスケ大好きなんだもんね。ルカワへの感情もバスケありき。ほんとバスケ至上主義すぎるこの漫画の登場人物たち。
「センドーはオレが倒す!」(#25-49)
てか晴子さんもフジイさんもマツイさんも私服が可愛い。
🏀花道くんはいつも目標設定がしっかりしすぎている
- 大きな目標「センドーはオレが倒す」
目標設定と宣言。
この場に居るみんなが「格が違う」と思ってるセンドーのこと、花道くんとルカワだけはそう思ってないんだよね。泣ける。
それにしてもセンドーの花道への好感度高すぎて何?お前と同じくらいガムシャラな福ちゃんのこと思い出してた? - ↑の目標達成のために必要なTODO「絶対止める」
具体的な行動:センドーに追いついて張り付いてボールをゴールに入れさせない
を誰に言われるまでもなく考え実践していて凄い。 -
上述の通りバスケ部入部までの軌跡もそうだし、後の公式試合でも各レベル感に合わせた目標設定がある。
翔陽戦:「ルカワより点をとる、退場しない」
海南戦:明記されていないけど「ゴリの夢を叶えたい」という気持ちで試合していたんじゃないかな。そして現状を把握し「自分にできること」を整理して(リバウンドをとる、などね)一つずつこなしていく姿。成長していて偉い。
陵南戦:「二度も負けない」として過去の失敗を学んで繰り返さない姿勢。
🏀結局のところバスケにおける一番の理解者はルカワ
- 繊細で緊張しいな花道くんと鋼メンタルなルカワ、意外と人のこと見てる花道くんとバスケ以外は興味がなく目に入らないルカワ、おしゃべりな花道くんとバスケに関すること以外ほとんど喋らないルカワ。。
- ルカワなりに花道くんのことをいつも気に掛けフォローしてあげているのが垣間見える。
ex① 陵南との練習試合で花道くんが初試合で緊張していることを行きの電車に乗っている時点から気付いていた。また、実際試合に出た時もケツキックで目を覚ましてあげていた。
ex② 翔陽戦で最初の庶民シュート外すところ、その少し前のコマから流川が花道のこと気にかけている。
ex③ 翔陽戦で花道くんがファウル4つで縮こまったプレイをしていたら、ルカワ自らわざとファイルを取りに行き励まし(?)ている。「らしくねーんじゃねーのか」と声を掛けるルカワ。不器用ちゃん。
- 海南戦の最後のパスミスの後花道くんを立ち直せるのは晴子さんのインタビューじゃなくて流川の「負けたのはオレの責任だ」なんですよ。。
「安西先生、バスケがしたいです」(#50-71)
- 入院により存在を仄めかしていた2年生、リョーちんが復活する。
晴子さんに恋する花道くんに加えてアヤコさんに恋するリョーちんの登場により、キュートな晴子さんとセクシーなアヤコさんというWヒロインのポジションがが確立する。 - ミッチー、初回登場時にリョーちんと花道くんの喧嘩に巻き込まれて不慮の肘打ちされていてこの頃から不憫キャラすぎる。
- 鉄男に突っかかる花道くんの手が猫?の手の形になっていて可愛い。青田との勝負(柔道部への勧誘)の時もゴリとの勝負の時も。
- ルカワ相変わらず手が早いし「ゴマカす」「モミ消す」のところ大好き。
- パンチ見切った花道くん、部員たちの分も鉄男にやり返していて部員想いで良い子(これはルカワの分ぺちん)(モップはてめえが)。
- 「もうバスケ部にはかかわらないと言え」に黙ってしまうミッチー。スラムダンクって「…」という吹き出しが異様に多い。行間を読まなければならない。
顔も良くてMVPで人生思い通りの中坊が怪我という1回の挫折で周りがどんどん成長していくのに自分だけ置いていかれる感、プライドが耐えられないよね。バスケは好きだけど嫌いになっちゃうよね。自分が介入できないバスケなんか見てられないよね、関わりたくないよね、でも好きだからグレるよね。なんだかんだまだ高校生だもんね。
そういった背景と心情を表現している「安西先生、バスケがしたいです」という一言の台詞が秀逸すぎる。この時点でもまだミッチーは過去に囚われたままなのである。
「オレたちは強い!」(#72-98)
🏀天才の根拠
- 初戦から4回、いずれもファウルで退場してしまっている花道くん。
どうしたって4回もファウルで退場させられてしまい、「天才じゃないかも」と悩む花道くん。
天才じゃないかもしれないと悩むことができるということは、今まで天才!と言っていたのは妄言ではなくそれなりの根拠があるからなんじゃないでしょうか。 - バスケにおいても、漫画で描かれているように初心者とは思えないスピードで成長しているし、バッシュ買うエピソードでもエアジョーダンを30円で手に入れているし、今まで可愛さ(多少の横行が許される)とアホさ(不利なことには気付かない)とがめつさ(押しが強く思い通りを強要)とetc、、で今までの人生が花道くん中心に回る世界だったからという裏付けがあるからこその天才なんだよね。。
- そんな天才花道くんでも審判の笛までは制御できず、人生初(?)の壁にぶち当たっている。ゴリも言っていた通り、どれくらいで笛が鳴るのか経験を振り返り、持ち前の反射神経を調整しながら少しずつ克服していこうな!!!
🏀翔陽戦
- 神の子や赤司という強キャラは肩掛けジャージなのである、藤真然り。
- 「お前のリバウンドには少し期待している」
山王戦で「こんな風に誰かに期待されるのは初めてだから」と書かれていましたが、ここの花道くんもきっと嬉しかったんだろうな。リバウンドだけは絶対とろうと思って張り切った矢先にメガネに肘打ちしてしまいファウルとられちゃったけど。。 - リョーちん最初は藤真のことタイミング読みづらいって言ってたのに最後はちゃんとブロックしててえらい。
「ぶちかませっ!」(#99-131)
私は現実世界のスポーツに興味がなさすぎてバスケのことも全然知らないけどNBAの紫と黄色いチームは知っている。LAの。海南カラーここ参照元だよね。
🏀シンプルに試合が面白すぎる
- 最初から両者エンジン全開のスーパープレイの連続。
身体能力で圧倒させるスーパープレイが大好きすぎて地味にスラムダンクで一番好きな試合は山王戦より海南戦(の最初の攻防)かもしれない。 - リョーちんの隙間パス
からのじいのブロック
からの両手でボールを奪い返しバスするルカワ
からの神さんインターセプトで野猿速攻
からの花道くんトラベリング
からのミッチーのバスケセンス
からの神さんのポーカーフェイスパス
からの野猿ダンク - からのゴリダンク「どっちがだ?」カッコ良すぎる。
- セリフなしの最後も本当に好き。高砂のスクリーンアウト、リョーちんの下からのスティール、野猿の爪、、一人一人の行動がコンマ数秒単位で運命を変えている。
🏀心優しく仲間想いな花道くん
- 陵南との練習試合の時はゴリから「オレの代わりだ」って言われた時プレッシャー感じてガチガチに固まってたのに今回は自ら「ゴリの穴はオレが埋める」って言っていてスラムダンクと書いて花道成長物語と読む。。
- ゴリの様子を見てジャンプボール変わってあげた花道くん。花道くんって基本的に人のことが好きというか、周囲の人をよく観察して人への理解度が高いタイプなんじゃないかな。山王戦でも「沢北はパス出さない」と読み切っていたし。
- ゴリが言う「1年の頃からずっと夢見てた」ってセリフ、読者向けの感情移入誘発目的っていうのもあるけどこの言葉のせいで花道くんは試合が終わった後もずっと引き摺られて坊主にまですると言う行動原理にもなってるんだよね。。一石二鳥なセリフである。
- 陵南戦のフリースローでも木暮先輩の「あさっての陵南戦が最後だ」って言っていたのを思い出していて、先輩の思いを背負っている花道くん可愛い後輩すぎる。キングコング弟。。
🏀ここまで倒すと宣言した相手を倒している
- メガネとじい→ダンクで倒す
ボス猿→ブロックで倒す
ヤマオー→試合に勝って倒す - センドーだけまだ倒せていないのである。
- そしてじい相手に最初のダンク行く時、センドーと安西先生のコマだけ背景が白くてそれ以外の晴子さんやゴリなどの背景は黒なところ、背景白の人は花道くんのこと信じてるっていう有名な考察(?)がある。「行け」のところね。
「左手は添えるだけ」(#132-185)
「三井君、桜木君を抑えてくれるかね」「やりましょう」ミッチーのバスケセンスらぶ
🏀花道くんの家族について
- 海南vs陵南やってる最中に安西先生が倒れてしまった湘北。
病院への連絡などテキパキと花道くんが処置したという流れで入る回想、そこで描かれるのは悲しく辛い花道くんの過去であった。
実際お父さんがどうなったかは明記されていないが、多分花道くんは孤児なんだろうな。 - なんか花道くんが安西先生はタメ語なのにアヤコさんは敬語だったり、女性に対してだけ敬語だったり強く出られなかったり、ちょっと神格化している節あるのって幼少期から母親という身近な女性の存在がいなかったことに起因するのかなって。
- このエピソードの少し前、陵南戦に向けてシュートの練習してた時に花道くんが木暮先輩と「ウチの人心配するだろう」「お前はどーなんだ」ってやり取りしていたのは花道過去編に対するちょっとした伏線だったんだろうね。
🏀「引退がのびたな」「泣かすなよ…問題児のクセに」
- 練習試合の時は最後数秒でセンドーにゴール決められ逆転された苦い思い出をしっかり覚えていて、今回の試合でも最後数秒の時に「戻れっ!センドーが狙ってくるぞ!」と言うところ。
- 救世主花道くん最後の大活躍、翔陽の人たちが「頭で考えてやったことじゃない。奴の肉体が…細胞が瞬間的に反応した。そんな感じだった」と評しているが、実際センドーのノールックパスやターンで抜くみたいな動き、練習試合含め今までで1回したことがあるような動きなんだよね。「頭で考えてやったことじゃない」かもしれないけど、細胞が反応できたのはただ単にボールを追っていたからでなく体が経験をちゃんと覚えていたからなんじゃないかな。
- ミッチーもフク助のシュートパターンを分析したり(ミドルレンジは入らない)、ルカワも自分の体力を考慮し前半捨てたり、赤木も大黒柱の役割をしっかりと果たしていたり、リョーちんも控えのセンターとのミスマッチ状況やセンドーの考えを読んでたり、安西先生が不在の中でみんな試合中に考えて成長している。
- 逆に陵南は練習試合の時と同じミスを犯していたね。田岡監督は他校の生徒同士の内情なんて知らんだろうけど、花道くんはルカワにパスを出さないのである。
🏀スラムダンクの良いところの一つ、選手を敗因にしない
- 陵南の敗因を田岡監督が「木暮君と桜木君を湘北の不安要素と決めつけていたこの私!陵南の選手たちは最高のプレイをした!」と責任を取っていて流石大人。
- 翔陽戦でも「藤真が選手に集中できなかった"環境"」を敗因としているし、豊玉もチームがグダっていた原因(前監督のクビ)を描いてくれているし、いくらフィクションで存在しない登場人物だとしてもプレイヤーに敬意が払われていて良い。
「断固たる決意が必要なんだ!」(#186-222)
- じいと野猿と花道くんのほのぼの名古屋旅行記可愛くて好き。
- 白髪鬼からのホワイトヘアードブッダへの方向性転換経緯がここで語られている。アメリカに行きたいと相談を持ち掛けたルカワに対して安西先生は「とりあえず日本一の高校生になりなさい」と具体的な目標を提示するのだが、これ花道くんはいつも自分で見つけてるんだよね。ルカワを倒すとか。
豊玉戦でも安西先生のお言葉を「当たり前のこと言ってやがる」と思ってた花道くんのマインドは常に監督と同じ目線なんだ。。戦略的なところは監督からの教えが必要だけど、それ以外の部分では要らないよね。生粋のスポーツマンだよ。。 - ルカワとの1on1の後にミッチーとリョーちんに慰められている花道くんの図、問題児トリオ可愛い。ミッチーとリョーちんがチームメートの実力や性格を理解してるのも尊い。
問題児トリオといえば試合前の練習(?)で山王側のコートに挑発しに行く花道くんとハイタッチする問題児トリオ(大中小)が可愛い。 - 特訓に付き合う軍団エモすぎ。
- 「日本一の選手ってどんな選手だと思う…きっとチームを日本一に導く選手だと思うんだよな」とカリメロに向かって独り言を言うルカワ。
安西先生が谷沢くんに言っていた「お前の為にチームがあるんじゃねぇ。チームの為にお前がいるんだ」精神がルカワには教えるまでもなく根付いていて良かったね。
「大好きです。今度は嘘じゃないっす。」(#223-276)
- 実際主人公の花道くんもどっちかっていうとアンチヒーローだし。
- 後半20分が27-31の4巻分で描かれてたんだ。。濃すぎる。
23巻で初めて一瞬出てきたラスボス山王をこんなにも強敵として印象付けられるのは前半合わせて6巻分にも渡り試合内容、及び山王選手のキャラクターを緻密に描いているからだね。。深津とかメンタルやべーじゃん、全然動じないピョン。1番から5番までこなす男も身体能力だけでなく試合中相手を分析して対処法みつけたりしてるし、フィジカルだけじゃなくて冷静で賢いんだ。。 - 安西先生のエンジン全開すぎ戦略最高。
奇襲アリウープからの序盤は豊玉であまり活躍しなかったミッチーにボールを集める。上述の通り身体能力に依るスーパープレイも好きなんですがジャイキリやキングダム(キングダムはスポーツ漫画ではない)のような戦略による殴り合い(?)も好きなんです。。 - あきらめの悪い男 三井寿
元々木暮先輩の言う通り「後悔の念から過去を美化し過ぎて」過去に囚われてるのに、翔陽の長谷川さんの存在とか陵南戦の途中で倒れたことなどの積み重ねにより自信がどんどんなくなっていってたミッチー。安西先生は「今の君はもう十分あの頃を超えているよ」と言ってくれているよ。自分を信じて、あとやっぱりバスケが好きなんだよね。「この音がオレを甦らせる。何度でもよ」で号泣。 - ゴリ
ボス猿が既に克服していたこと(河田に勝てないよぉ)で曇らせられたところを桂剥きに救われたゴリ。ボス猿にとってのヒーローはゴリなんだね。ゴリはボス猿には足を向けて寝られないですね。 - リョーちん
リョーちんのテクニックと素早さを前半で見せつけてしまったから後半は最初からWチームでボール運びの道を絶たれてしまったんだ。。深津と沢北抜けるリョーちんカッコ良すぎる。
そして三年の2人がへたってる時に「しっかりしろォ!流れは自分たちでもってくるもんだろがよ!」と喝を入れられる胆力。リョーちんしか勝たん。
「No.1ガード」と掌に書いてくれるアヤコさん良い女すぎる。結婚してくれ。 - 最高のチームとリバウンド
ミッチーとゴリのグータッチは熱いものが込み上げてきますね。私は自分自身が名誉湘北バスケ部3年生であるという幻覚を見ているので。
スクリーン?かけてくれるゴリと花道くんのリバウンドを信用しているからミッチーは3Pシュートを躊躇いもなく打てるし、ルカワはへばってるミッチーに対して「そんなタマじゃねーよな」とか言いながらパスできるし(上下関係皆無)、喧嘩ばかりだけど最高のチームだよ。
そして前の試合からずっとリバウンドの重要性は描かれていたけど、山王戦で安西先生が丁寧に説明してくれましたね、4点分の働きになると。さらに味方のシュートも躊躇いなく打てて相乗効果が半端ないじゃないですかリバウンド。
最初はゴリは煽てるために「リバウンドを制するものは試合(ゲーム)を制す」と言ってたと思うけど(だよね?)、蓋を開けてみれば本当にリバウンド王桜木が試合を制して湘北の救世主となってしまった。 - ルカワ
センドーからのアドバイスに耳を傾けパスを出してみる男に成長したね。沢北に勝ち日本一の高校生のタイトルを掴めて良かったね。 - 花道くん
シロートの花道くんさぁ、神奈川No.1プレイヤー牧にもマークされてさぁ、今大学に入っても三本の指に入るセンター河田からもマークされてさぁ、一種のカタルシスだよね、もう。
花道くんの身体能力がようやくここで丸ゴリにより言語化される。フク助も「スピード、ジャンプ力、最高点に到達するまでの速さ、パワー、勇気」って言っていたけど、より具体的に。滞空時間が長い、着地後にダッシュできる脚力。
「オヤジの栄光時代はいつだよ…オレは今なんだよ!」で大号泣。 - ルカワと花道くん
最後わざとファウルして花道くんを花道くんが一番輝くバスケのコード上に連れ戻したルカワ。
山王戦の終わり方は最初の陵南の練習試合を再現してるんだよね。陵南との練習試合の時はお互い"偶々"パス出し合ってたけど、その時をセルフオマージュして山王戦では偶々ではなく意識して「ルカワならボールを運んでくれる」「どあほうならシュート決めてくれる」という信頼からのパス。。
からの見開きで描かれるハイタッチ。海南戦?の時安西先生からちょんってされた時は花道くんは「あーー手が腐る!」と言ってルカワは無言で拭ってたのに。
今年の目標:楓パープルと赤が好きとピアスを手に入れて読む。