SM音楽史 〜ユヨンジンの音楽はただの音楽ではない、血管に流れる数億個のクリスタルだ〜
- 1990年代 〜流行を取り入れながら基盤を築く〜
- 2000年代 〜SMPの確立と広がって行く楽曲の幅〜
- 2010年代前半 〜ダブステップ愛・楽曲の"トンチキ"化とキメラ化が進む〜
- 2015年・2016年 〜ディープハウスとフューチャーベースを先駆ける〜
- 2017年・2018年・2019年・2020年 〜Trap(ヒップホップ)を独自に再解釈〜
- 現在(2021年) 〜SMP回帰の年〜
- ユヨンジンらしさとは(SMP)
1990年代 〜流行を取り入れながら基盤を築く〜
<< 主な音盤 >>
◆New Dance 2 - ヒョンジニョン
◆We Hate All Kinds of Violence… - H.O.T.
◆Sea & Eugene & Shoo - S.E.S.
◆LOVE - S.E.S.
<< 作曲家の動向と音楽ジャンル >>
SMエンターテインメント立ち上げ当初、ヒョンジニョン(흐린 기억속의 그대など)はニュージャックスウィング、H.O.T.(We are the futureなど)はヒップホップという感じで、当時の国内の流行ジャンルを積極的に取り入れていますね。
H.O.T.とS.E.S.はユヨンジンのプロデュースです。
S.E.S.のアルバムLOVEには、ユヨンジンの必殺技テンポ変え(?)が印象的なR&B曲Twilight Zoneや、パンシヒョク&パクジニョンという今では見ることのできない豪華タッグの渋谷系바람둥이 길들이기などが収録されています。関係ないけどこのアルバム、ドラマパートが挟んであるのが少年隊のアルバムみたいで時代を感じる。。
S.E.S.のDream Come Trueのように、この頃から外国人作曲家への外注はしていた模様です。
2000年代 〜SMPの確立と広がって行く楽曲の幅〜
<< 主な音盤 >>
◆Perfect Man - 神話
◆Girls On Top - BoA
◆Rising Sun - 東方神起
◆"O"-正.反.合. - 東方神起
◆Don't Don - SUPER JUNIOR
◆Replay - SHINee
◆Mirotic - 東方神起
◆Gee - 少女時代
◆Sorry, Sorry - SUPER JUNIOR
<< 作曲家の動向と音楽ジャンル >>
ディレクター陣にKENZIEを迎え入れ、"らしさ"というものが確立されていったSMエンターテイメント。。
SMらしさといえばのSMPについては当ページの一番下に別途記載しておりますのでここでは割愛です。
2000年代後半になると、Mirotic・Gee・Sorry, Sorryという国民的大ヒットが連発します。
Miroticの作曲家Thomas TroelsenはSMPと相性がいいのか2010年代前半までのカムバ曲をよく提供してましたね、最近はめっきり見かけなくなりましたが。。
Replay(R&B)、I Pray 4 U(2step)、천일유혼(g-funk)などのように外国人作曲家によりSMの音楽の幅が広がったような気がします。
ワンガのTell Me旋風に乗っかったGeeはE-TRIBEが作った切なめ可愛いポップソングである意味でSMっぽくない曲ですね。
Sorry, SorryはGeeに次ぐSM産フックソングですが、こちらはユヨンジン作でとてもSMっぽい仕上がりになってます。ダッダッダッダダダッダダッダというリフがいい感じですね。
ユヨンジン・ケンジ・外国人作曲家が目立つ一方Sweetuneのように国内の有名作曲家とも結構作業してますね。というかSweetuneは元SMのA&Rらしいですよ。
2010年代前半 〜ダブステップ愛・楽曲の"トンチキ"化とキメラ化が進む〜
<< 主な音盤 >>
◆Sherlock - SHINee
◆I Got A Boy - 少女時代
◆XOXO - EXO
◆Pink Tape - f(x)
◆Everybody - SHINee
◆Red Light - f(x)
<< 作曲家の動向と音楽ジャンル >>
EverybodyやRed LightのようにEDM、ダブステップ特化が顕著ですね。
この辺りからよく見かけるようになるHitchhikerやCoach&SendoはEDM得意な国内作曲家なんじゃないですかね、知らんけど。
また、Sherlockは既存の2曲を合体させる手法で作成された曲であり、新しいものに挑戦していくSMの飽くなき探究心が垣間見れるかと思います。
Sherlockの成功をきっかけに楽曲のキメラ化が進んだんじゃないですかね、知らんけど。というのもそれまでは作曲者が連名だとしてもせいぜい多くて4人とかだったのが、最近は5人以上の名前が並ぶのもざらにあるので、楽曲コンペで大量に買い取り良い部分を掻い摘んでひとつの曲を製造してるのではないかな。。
大量買取の影響なのかDEEKAY MUSIC(Daniel ”Obi" Klein)、Teddy Riley、The Underdogs(Harvey Mason Jr)、The Stereotypesなどの著名作曲家とのコンタクトも増えていきます。
あとは何と言っても一世を風靡したウルロンbyHyuk Shinは外せませんね。耳に残り大衆的であるが普遍的ではないファンキーなモチーフ、ジャズ的和声を取り入れた繋ぎの部分、全てが天才でこのクオリティの音楽をアイドルに歌わせ流行らせることができるSM!!!!!
同年のRum Pum Pum Pumもアラビア的な雰囲気と特徴的なベース音のリフが印象的で、この頃に「今までにないものを作りたい」っていうSMの楽曲に対する方向性が固まっていったのかなと思います。
2015年・2016年 〜ディープハウスとフューチャーベースを先駆ける〜
<< 主な音盤 >>
◆Odd - SHINee
◆4 Walls - f(x)
◆The 7th Sense - NCT U
◆좋아 - ジョンヒョン
◆Free Sombody - LUNA
◆EX'ACT - EXO
◆NCT #127 - NCT 127
<< 作曲家の動向と音楽ジャンル >>
2015年、Viewと4 Wallsがディープハウス革命を起こした年ですね。
現在Kポ界隈にめちゃくちゃ多く存在するジャンルであるディープハウス(トロピカルハウス含む)の火付け役LDN Noizeには一生足向けて眠れませんね、そしてEDM(エレクトロハウス)を深掘った結果ディープハウスに行き着くSM流石です。。
2016年、ムーンバートンであるソバンチャが世に放たれました。個人的にはソバンチャがムーンバートンに分類されるのマジで解せないんですが公式がそう言ってるんで。。当時世間(洋楽)ではムーンバートンが結構流行っていたので「ありきたりなのはやりたくない」っていう天の邪鬼だったんですかね、結局その後SMはムーンバートンに(おそらく)全く手を出してないし。
2016年、フューチャーベースを先駆けた年でもありますね。The 7th Sense、She is、Free Somebodyと立て続けにフューチャーベースの曲をリリースしていました。
この頃現れたSM御用達作曲家としてはDem Jointz、Andreas Oberg、Monotree、JINBO、ZEED辺りですかね。JINBOやDEEZはアシッドジャズ風味のあるおしゃれでアーバンなヒップホップ的トラックメイカーなのでそこら辺も意識してそうです。
あとはコンペで買った良曲が消化しきれなかったのか毎週音源を出すという企画のSM STATIONが狂気の沙汰だなと思いました。
2017年・2018年・2019年・2020年 〜Trap(ヒップホップ)を独自に再解釈〜
<< 主な音盤 >>
◆LIMITLESS - NCT127
◆CHERRY BOBM - NCT 127
◆The Red Summer - Red Velvet
◆THE WAR - EXO
◆Perfect Velvet - Red Velvet
◆DON'T MESS UP MY TEMPO - EXO
◆WE ARE SUPERHUMAN - NCT 127
◆OBSESSION- EXO
◆Neo Zone - NCT 127
◆Super One - Super M
◆RESONANCE - NCT
◆BETTER - BoA
<< 作曲家の動向と音楽ジャンル >>
マークとテヨンを獲得したSM、やはりヒップホップ路線が強まりTrapを独自に再解釈しSMらしさと両立した楽曲が増えたように思います。ヒップホップ色強めのアルバムRESONANCEではレトロブームに乗っかりLofiヒップホップが複数曲収録されていましたね。
EXOやSHINeeの曲にもPENOMECOやチャンモといったラッパーをラップディレクションとして参加させていることが多くなった気がします知らんけど。
Ceaser&LouiによるキュートでフレッシュなポップソングRed Flavorがサマーソングとして大ヒットしたRed Velvetは、Red Flavorの次のフルアルバムがMoonshineによるPeek-A-Booを筆頭にアコースティックなR&B・フューチャーベース・ディスコなど様々なジャンルを包含した最高の出来になっていて、改めてSMの最大手音楽芸能事務所であるという底力を見せつけられました。(大衆的なヒット曲と音楽マニアが唸るようなハイクオリティ音盤を同年にリリースするSM!!!!!)
また、SuperhumanやKick it、SuperMのように北米市場を狙う魂胆がチラ見えする一方で、STATIONではMJトリビュートとしてMan In the Mirrorリメイクをしたり、Red Flavorオケver.をしたり、MZMCによるEXOのタイトル曲Tempoではアカペラを取り入れていたり、やはり歌や音楽に対して本気の姿勢を貫いていることも伺えます。
閉会式ソングのPowerについても言及しておきたいんですがダブレゲエで攻めたKoKobopのリパケが音楽の力で世界を救うことを歌ったPowerでもう泣いてしまいますよ。
現在(2021年) 〜SMP回帰の年〜
<< 主な音盤 >>
◆Don't Call Me - SHINee
◆Next Level - aespa
◆STICKER - NCT 127
<< 作曲家の動向と音楽ジャンル >>
今年はSMP回帰の年と言えるのではないでしょうか。
昨年末のBoAのBetterに始まり、Don't Call Me、Next Level、Stickerとユヨンジン節大炸裂してるしなんかNext Levelはめっちゃ大ヒットしてますやん。
Don't Call MeとStickerの2曲はDem Jointzとのタッグで、古き良きユヨンジンのSMPと常識の枠に捉われないDem Jointzのヒップホップトラックの相乗効果がヤバい!
余談ですがStickerの笛の音はピリという朝鮮半島のダブルリードの縦笛であるとのことで、B.A.PのNo Mercy(ヒップホップ/ロック)やMonsta XのFollow(ムーンバートン)などのように伝統楽器を使っている曲がコンスタントにリリースされるのがKPOPの良いところですね。
ユヨンジンらしさとは(SMP)
某TSがカバーしてるPerfect Manが1億VIEWな世の中なんでユヨンジン(SMP)は世界に通用するっていうDABがもうすでに出てるんでしょう。。
1. 特徴的な音楽スタイル
2. 哲学的な歌詞
2-1. 厨二病的な単語の歌詞
- 世界、真理、二律背反、黒と白、利己的、法則、融和、絶望 etc...
2-2. 社会批判的な歌詞(フェミニズム)
- 金 金 全てが金の世の中
- 全く同じ人生を強要するな 私は自分の世界を自分で作る
- 男達が作った基準に合わせずありのままの姿で堂々としていたい
2-3. 意味がわからない歌詞
- T.O.P.(Twinkle Of Paradise)
- 地球の言葉でそれはL.O.V.E
- 独創的なあだ名の命名 例えば"꿍디순디"
2-4. 口ずさむと強くなれる歌詞
- 私は私 誰も代わりになるな
- All or Nothing 私が作った法なんだ
- 野獣みたいな私を感じろ
- 時間は逆らえないがもう一度チャンスをくれる いつか疲れた私に終わりじゃないと言ってくれ
- 私たちは平凡な価値を守る幸せになりたい普通の人間さ
- 道理に合わせて生きる事に慣れてしまったの?暗澹な世界が君を気後れさせたの?
- 人生はまるで果てしない軌道を流れる星のよう 無数の質問と解答を求めて未完成の絵を描いていく事 絶望は幸せの下絵なのか?時間だけが知っていると誰かが言っていた
- 君たちの論争には論理がない 目的のない戦いじゃないのか いつでも共存できるんだ