【EXO考察】深読みしすぎのMV解釈 〜Lucky One編〜

 

佐倉◯代「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」

 

 


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Chinese ver. / Teaser

 

モチーフの考察

フランケンシュタイン

モチーフがフランケンシュタインであるという考察は、EX'ACT発売当時にも結構流布されていました。

フランケンシュタインだって言われてた理由は主に以下の3点です。

  • Monster*1のロゴ
    Monsterの方のロゴが「ネジを埋め込んでいる」ような音と動きをしているので、人造人間がテーマであるフランケンシュタインと合致する。
  • Lucky OneMVの小道具
    MVで用いられているカルテ心電図点滴という小道具から実験を連想させ、フランケンシュタインでも実験(どちらかというと錬金だが。。)の結果人造人間が誕生する。
  • Monsterという曲名
    フランケンシュタインが創り出したのは怪物=Monsterである。

 

 

 

主題の考察

靴の裏とループ

まずEXOの靴の裏に注目してみてください。
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全身が白いのに、靴の裏だけ不自然なほど汚れてますよね。

靴の汚れの原因を考察するにあたり、MVの内容・シーンを振り返ってみましょう。

  1. 青いサンバイザーに連行されるギョンスの場面
  2. 赤いサンバイザーから逃走中の場面
  3. 逃走中のジョンデを青いサンバイザーがモニター越しに確認後、どこかへ向かおうとしている場面

上記3場面から、2→3→1という順序のストーリーを組み立てることが可能かと思います。つまり、逃走しても結局違う敵(?)に捕まるので、2の逃走も1回目ではなく、n回目の連行後の逃走だったのではないかと予測できるわけです。

以上のことから、

  • 靴の裏が汚れているのは「逃走を何回もしている」からであり、
  • Lucky OneのMVはEXOの主題でもあるBeginning = End*2、つまりループが表現されているMVである

と結論づけられます。


(というか赤いサンバイザーと青いサンバイザーって長いので以下「赤バイザー」「青バイザー」とします)

 

 

上着の色と無色界

次に、EXOが着用している上着の色に注目です。

MVを見ると、上着

  • 主にベッドの上などで着ている「白い上着
  • 主に逃走中のEXOが着ている「透明の上着

の2種類あることが確認できます。

上着の色が枝分かれしている理由っていうのは、

  1. 白と透明は別個体である
  2. 白から透明に変化した、もしくは透明から白に変化した

の2つが考えられると思うんですけど、ここでは1であると仮定して話を進めたいと思います。なぜなら2の根拠を考えられなかったっていう個人的な事情があるからです。
1、つまり「白と透明が別個体である」っていうことを立証するために、Kokobopの考察の際に引用したイデア論という概念を用いたいと思います。
イデア論をEXOで説明すると、「イデア界」には「EXOのイデア」というEXOそのものが存在し、「現実世界」には「肉体的に感覚しているEXO」がいるっていう感じになります。
なので、Lucky OneのMVでもイデアのEXOと実体のEXOがいて、それぞれを分別するために上着の色分けをしたのではないかと推測することができます。

では、色分けが何で「透明」なのかっていうところを考えてみましょう。
ここで、「透明=無色」という繋がりから、無色界という概念をいきなり引っ張ってきます。
無色界とは仏教において輪廻する世界を3つに分けたうちの1つを指します。輪廻の概念ってまさに上記でLucky Oneの主題であると考察した「ループ」の概念っていうのもあり、上着が透明なのは、仏教における輪廻を象徴しているからであると考えられます。

MVを見ると、2箇所ほど六角形をした場所が出てきます。ベッドが置いてある部屋と、逃走中監視されていた迷路です。
六角形というのは6つの頂点があるので、6種の世界を輪廻する六道輪廻を表しているのではないかと推測できます。だって仏教の輪廻って、六道輪廻が有名じゃないですか(カテキョーヒットマン…?)。ちなみに三界のうちの1つの世界の中にさらに6種の輪廻する世界があり、その6種の世界を無限に転生することを六道輪廻と言うらしいです。
つまり、六角形はイデア(白)も実体(透明)も抜け出せないループの中にいるっていうことを表現しているのではないかと推測できます。
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結論としては、Lucky OneMVは

  • 白い上着:六角形の部屋にいるEXOのイデア
  • 透明の上着:六角形の迷路で逃走中なEXOの実体
  • 六角形=抜け出せないループの暗示

っていう設定を持っているのではないかと考えられます。

 

 

逆さの8とタロット

EX'ACTのティーザーで8だけ何故か上下逆さまになっていた理由について考察したいと思います。(下記画像参照)

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逆転した数字が何を象徴しているか考えるとき、まず最初にタロットがイメージされるかと思いますが、タロットには「マルセイユ版」と「ウェイト版」があります。両者はカードの内容的にはほぼ同じなんですけど、一部異なる箇所があります。ちょうど上手い具合に8っていう数字だけ、マルセイユとウェイトで意味する内容が違うんですね。

では、マルセイユとウェイトどっちを参考にすればいいのか、結論から述べると、ウェイト版だと考えます。理由を説明するため、フランケンシュタインのところまで遡って連想ゲームを始めたいと思います。 

  1. フランケンシュタイン→アグリッパ
    怪物を創り出した主人公であるフランケンシュタインは、アグリッパに熱狂していました。というかアグリッパに熱狂したから怪物を創り出してしまいました。アグリッパとはカバラ思想に心酔していた16世紀の魔術師で、主な著作に『隠秘哲学』などがあります。
  2. (閑話)カバラとEXOの関連性
    EXOの世界観はかなりカバラ旧約聖書)を参考にしていると思われます。*3
  3. アグリッパ・カバラ黄金の夜明け団
    アグリッパとカバラから繋がるのは、黄金の夜明け団という19世紀末にイギリスで創設された西洋魔術結社です。教義内容がカバラ中心となっていて、アグリッパの著作である『隠秘哲学』は教科書的な感じで大きな影響を与えています。
  4. 黄金の夜明け団→ウェイト版タロット=カバラ
    ウェイト版タロットの作成者が黄金の夜明け団の中心人物でした。ウェイト版はカバラ(セフィロトの樹)の解釈により忠実にタロットを再構成しています。

以上の理由から、ウェイト版のタロットカード「8」を見てみたいと思います。

ウェイト版のカード番号は「力」です。寓意画として無限マークが描かれています。また、「力」っていうのはセフィロトの樹*4では「青→赤」を表します。無限マークの方は上述の通り、ループを象徴していると思うのですが、「青→赤」っていうのは何を表しているのでしょうか。8が逆転していたので「赤→青」になるんですかね。
MVに出てくるの赤と青といえば、サンバイザーですよね(?)。MV中、赤バイザーから青バイザーに敵(?)が変わるよっていう展開を事前に教えてくれてたのでしょうか。(適当になってきた。)

なので8が逆転していた理由としては

  • 8を強調することで、ループを象徴
  • 「赤→青」であるという伏線の役割

の2点であると結論づけます。

 

 

 

ストーリーの考察

1. 赤バイザーが観察中

最初は赤バイザーが白い上着のEXOを観察しています。
青い液体を点滴に注入している描写があります。
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モチーフがフランケンシュタインということから、超能力の複製・創造とかをしているんではないかなと考えます。

 

 

2. 部屋の外に連行

レイが扉の外に連行されます。窓からは赤いオブジェクトが窓から見えますが、レイが連れ出されているところは暗闇+煙になってます。ちなみに他のシーンだと扉外も赤いオブジェクトが見えているので、暗闇+煙というのは何かの象徴かと思われます。
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連れ出された後は、月や地球っぽい星、超能力を使うチャニョルとベッキョンとカイ、6個のキューブがモノクロで再生されます。この際、チャニョルたちが白い上着を着ているので、部屋にいるEXOが実験として超能力を使っていることを示唆しているシーンなのではないかなと考えられます。

モノクロのシーンといえば、煙が満ちた箱に入っているシウミンとスホのシーンもあります。彼らは上着が透明なので、逃走中に囚われたってことを意味してるんですかね。
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3. ガラスが割れます

モノクロシーンでベッキョンの能力(光)と太陽っぽいのが見えた後に部屋のガラスが割れます。
ギョンスが1人だけ全く驚いていないので、ギョンスの能力(重力?)とかで割ったのかなとも思いますが、外から内に割れているので、ギョンスの力というよりは、外部からの何らかの介入があったことを意味しているのではないでしょうか。
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ガラスを割ったのがギョンスではないとなると、ギョンスは事前にガラスが割られることに"気づいている"っていうことですよね。Lucky Oneのラスシーンも、1人だけ何かを二度見して"気づいている"ような描写があります。MVには使われていないシーンですが、メイキング映像を見ると椅子に座ってモニタリングしているような設定がありました。
Pathcodeでも多角的な視点で俯瞰的に物事を把握しているっぽかったので、ギョンスは全て(次元?)を超越して出来事を知ることのできるキャラクターであると考えられます。
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4. ガラスを割ったのは…?

逃走中にベッキョンとチャニョルが、ある部屋に入ります。部屋が暗いので最初はチャニョルの炎で照らしていましたが、赤バイザー攻撃後にはブラインドから光が入り少し明るくなっています。
光源は外、つまりベッキョンが能力を使ったのは外からであるということが、このシーンからわかるかと思います。
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個人的に感光=ベッキョンの能力の示唆であると考えています。*5
Lucky OneのMVでも、青い液体を注入するとき感光シーンがあるので、六角形という抜けさせないループの中で実験されていることに気づいた外にいるベッキョンが、能力を使うことで救おうとしたのでは?という予測ができます。
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以上のことをまとめると、ガラスを割ったのはループを外側から断とうとしたベッキョンであるっていう考察になります。

 

 

5. 青バイザーのターン

逃走中のEXOをモニターで観察していた青バイザーがどこかへ向かう描写でMVは終わります。
「主題の考察」の部分で記載しましたが、この青バイザーはMV序盤でギョンスを連行していた人(人なのか?)たちと同じキャラクターなので、くどいかと思いますがループしているってことになります。
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最後のモニターのシーンでも感光してるのは、上述の通り、ベッキョンがループに気づいているっていう暗示ですかね。

 

 

appx1. 点滴の色とDNA

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「主題の考察」のところで赤と青といえばサンバイザーみたいなこと書きましたが、実は点滴の色も赤と青が登場してるんですよね。
青い点滴はチャニョルやカイなどで確認できますが、点滴の色が赤なのはベッドの上のギョンスだけです。しかも青バイザーに連行されるギョンスは青い点滴になっています(多分)。

ここでは青と赤の点滴の違いを考察したいと思います。
結論から言うと、DNAが青でRNAが赤を表していると考えました。
結論に至った経緯としましては、

  • なんかEXOの他の映像で二重螺旋構造のオブジェクトとかがちょいちょい出てくる気がする
  • モチーフがフランケンシュタイン=遺伝子の実験では?
  • セフィロトの樹に体系される22のパスは22対の染色体と考えられている
  • メチルグリーンで染め分けするとDNAは青く染まりRNAは赤く染まる

みたいな感じです。

DNAとRNAは、

 

  • DNA:長期保存に適した安定した構造
  • RNA:一時的な利用に適していて素早く合成できるが不安定な構造

という特徴がそれぞれあります。
以上のことから、点滴が赤かったギョンスは、不安定な構造、つまり実験の失敗を暗示しているのではないかと受け取ることができるかと思います。

 

appx2. 映像とジョンデ

まずテレビ(映像)の仕組みについて簡単に解説したいと思います。
アナログの場合は、光の三原色の情報を電気信号に変換して、60ヘルツで送信しています。以下の画像のような横ノイズは、ヘルツが違う信号を受け取ることにより発生します。
光の三原色のテストに用いられるのがカラーバーと呼ばれる画面です。カラーバーはMonsterの方のティーザーに使われていますし、Lucky One(というかEXO)とテレビ(映像?監視モニター?)には関連性があることは間違いなさそうです。

Lucky OneのMVでジョンデの後ろに映像が映し出されていたのは、雷が能力である=電気信号を送れるメンバーであるっていうことを意味していると推測できます。
ジョンデはベッドの上で周囲を観察していたり、最後の場面でも周囲を見渡しているので、ギョンスが"把握するメンバー"だとしたらジョンデは"監視するメンバー"だったりするんでしょうか。 。
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他の懸念点

背景の赤い車輪みたいなオブジェクト

  • 候補①:法輪
    仏教の車輪みたいなアイテムである法輪に似てます。上記の無色界=輪廻=仏教=法輪みたいな流れから導き出した候補です。つまり赤いオブジェクトは無色界を象徴している説です。
  • 候補②:特に意味はない
    特に意味はなく、見た目で採用された説。MVが全体的に2001年宇宙の旅をビジュアルモチーフにしているんじゃないかなって感じがあるので、2001年宇宙の旅の最初の宇宙船っぽい形のオブジェクトを背景にしてみた説。*6
  • 候補③:フェナキストスコープ
    近くにモニターらしきものがありますので映像関連かなと思いまして。
  • 候補④:換気扇
    換気扇は意外と他のMVなどに使われているアイテムだったので。

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赤いライトの2部屋

この2部屋は考察をたくの間ではLove Me Rightのカイとレイがいた部屋であるともっぱらの噂です。
Love Me RightのMVでカイとレイだけ赤いライトがついてる個室にいる描写があるので、Lucky OneのMVと繋がっているのでは?と考察されていました。
Lucky OneのMV中のレイとカイを振り返ってみると、2人は逃走中、赤バイザーに観察されてるっぽい描写をされているので、「実体(透明)が逃走中=監視対象=イデア(白)は部屋の中にいる=Love Me Rightの世界を体験している?」みたいな推測ができますね。
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「e )( o」というロゴ

これは考察をたくの間ではExperiementerとObjectであるっていうのが有力候補です。名前にeが入ったメンバーとoが入ったメンバーの対立説とかも考察されていました。
あとはロゴの下のメンバーの名前の順番、上の行・下の行に別れている点も気になるポイントです。
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スホの指輪

スホが水の能力を使ってコップ1杯の水を生み出すシーン、メイキングを見るとこのシーンってジョンデの手で撮られているんですよね。
裏事情的にはスホがクランクアップのあとに水を生み出すシーンの素材が足りないことに気付いて、代わりに撮影中だったジョンデが撮っているって感じだと思うんですけど、あえて指輪をしたままな理由があるのかどうか気になります。
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青い目と黒い目

  • 黒目:ギョンス・ジョンデ・スホ・レイ
  • 青目:カイ・ベッキョン・シウミン・チャニョル・セフン

カラコンが似合うメンバーとそうでないメンバーとかですかね?(思考の放棄)

 

 

*1:Lucky OneとMonsterは両A面なので繋がっている部分があると考えられます

*2:Beginning = Endという言葉はPathcodeやTempoに登場しています

*3:MAMAなどに出てくる生命の樹など、EXOの世界観には様々なカバラのモチーフが引用されています

*4:タロットのカードは元々セフィロトの樹を参考にしています。詳細についてはググってみてください。

*5:KokobopなどのMVでも感光加工がありますが、光が漏れて感光するので、感光=ベッキョンの能力の示唆であると考えています

*6:RedVelvet等の他グループのMVに『博士の異常な愛情』や『シャイニング』のモチーフを利用していたりして、SMのビジュアルディレクティングチームはキューブリックのことが大好きです。