【EXO考察】深読みしすぎのMV解釈 〜Monster編〜

EXOのMonsterMVの考察をしたいと思います。(え、Monsterって4年前…?)

 


EXO 엑소 'Monster' MV

 

バック・トゥ・ザ・フューチャーとの関連性

MonsterMVの解釈としてロゴのフランケンシュタインっぽさや最後の晩餐モチーフなどが有名ですが、あえて映画Back To The Futureを切り口として考察してみます。

Back To The Futureのあらすじ↓

無事に過去から1985年に帰還したマーティ。ジェニファーをデートに連れて行こうとするマーティの元に、未来から帰ってきたドクが現れる。ドクは、30年後の2015年で大変なことが起きていると言い張り、マーティとジェニファーを強引に連れて未来にタイムトラベルする。2015年のヒル・バレーではテクノロジーが発達しており、空飛ぶ自動車やホバーボードなど、画期的な未来都市となっていた。

一方、マクフライ家には崩壊の危機が迫る。マーティとジェニファーの間に生まれたマーティ・マクフライJr.が窃盗容疑で捕まってしまったのだ。マーティたちが家族崩壊を阻止するために尽力している間に、偶然にもタイムマシンの存在を知った老いぼれのビフは、高校生の頃の自分にスポーツ年鑑を渡し、賭博で金儲けを企む。これが災いとなり、マクフライ家にとって大問題となる別の未来が発生。更なる危機に直面したマーティとドクは、ビフの企みを阻止すべく1955年に再びタイムトラベルする。

Back To The Futureと同じように、MonsterのMVもEXOがモンスターになる世界線とモンスターにならない世界線があり、モンスターにならないためにEXOたちが時間逆行するというストーリーだと予測を立てるわけです。
ではどうやって時間逆行するのか。Back To The Futureではかの有名なデロリアンでタイムトラベルしているのですがMVでもベッキョンがめっちゃ運転してましたよね、車。タイムトラベルの媒体という面でもBack To The Futureと同じく車を用いて時間逆行しているのではないかと予測を立てたわけです。
=MonsterMVの主題はパラレルワールドとタイムトラベル(タイムパラドックス

 

 

「赤い気の目」とメンパーの役割

MVでは主に神殿っぽい場所とそれ以外の場所がありますが便宜上ここでは前者を精神世界、後者を現実世界と記します。(ビジュアルの雰囲気がドラゴンボール精神と時の部屋っぽいので…)

「赤い気の目」

EXOの世界観の基本設定(?)として「赤い気の目」という絶対悪が存在するのでMonsterのMVにおける「赤い気の目」は何なのか考察してみたいと思います。

【"Monster"】
モンスターという曲のMVを考察しているわけですが、モンスターとは一体何を指すのでしょうか。
MVの中で一番モンスターらしい場面はカイが人の山の上にいる場面ですかな。ちょうど歌詞も「You can call me monster」だし。

f:id:thepowerofdream:20200817011607j:plain
でもカイは直前まで敵に痛めつけられているんですよね。

f:id:thepowerofdream:20200817232323j:plain
「人の山の上に立つカイ」と「痛めつけられるカイ」という真逆の状況から、
「現実世界のEXOはもともと超能力を使えないが、抗争(?)の末敵から肉体的にも精神的にも痛めつけられ限界を迎えたことがきっかけとなり超能力が暴走し、敵味方関係なく人をあやめてしまった」
という仮ストーリーを立てます。つまり超能力が暴走してしまったEXO自身がモンスターなんですね。
そしてEXOのモンスター度合いの指標は「照明の色」でなのではないかと考えます。MV中の演出に使われる照明は主に「青」「ピンク」「赤」「緑」「黄色」。ベッキョンがいる場面で多く使われる「青」に対して上記画像の通りカイがモンスターになる場面では「赤」。精神世界が警棒で荒らされている場面などが「ピンク」ですね。
光の三原色だと青と赤が混じるとピンクなんですよ。このことから照明の色が「青」→「ピンク」→「赤」の順でモンスター度が上がっていると推測できないでしょうか。(MV上精神世界には敵(警棒を持った人々)が介入しないはずですが、精神世界が警棒で荒らされている場面があることから精神世界は現実世界とリンクしているのではないかと思われます。撮影セットも隣で組まれてますしね。)
そしてそして赤といえば「赤い気の目」=悪ですよね。悪とはモンスターとはいえどEXO自身のことなのかもしれません。
=モンスターとは能力が暴走してしまっている人間のEXO(悪)

ウロボロス
MV序盤に登場する蛇です。わざわざ蛇を登場させている以上何かしらを暗示しているはずです。(SMはかなりの変態なので抜かりがない)
f:id:thepowerofdream:20200817012223j:plain
しかもなんかこの蛇暗くてよくわからないですが赤い眼をしていませんか…?

f:id:thepowerofdream:20200817233140p:plain
Rが多めなので赤い眼をしているということにしましょう。蛇もまた「赤い気の目」ですね。
蛇といえばエバをそそのかした「原罪」、ケツァルコアトルアスクレピオスの杖など色々思いつきますがここでは以下の2つの理由からMVの蛇はウロボロスであると想定します。

理由①EX'ACTのロゴとベンゼン
f:id:thepowerofdream:20200817012008j:plain

ベンゼン環とは有機化学者ケクレが提唱したベンゼン(芳香族炭化水素)の構造式でありますが、ウロボロスの夢を見たことでベンゼン環を思いついたそうです。

ケクレは原子同士が連なっていく夢を見て鎖状構造を思いつき、ヘビウロボロス)が自分の尻尾を噛んで輪状になっている夢を見てベンゼンの六員環構造を思いついたといわれている

ここでMonster収録アルバムのEX'ACTのロゴを見てみましょう。

f:id:thepowerofdream:20200817012145j:plain
に、似てる!!!
ウロボロスと関連性のあるベンゼン環と、Monster収録アルバムであるEX'ACTのロゴがこんだけ類似しているので、MVに登場する蛇はウロボロスと見て間違いないでしょう。

理由②EXOの初期設定と関連している
EXOの世界観の基本設定として「生命の木」というのがあるのですが、この「生命の木」、北欧神話ユグドラシルをモデルにしていると推測できます。世界を体現するユグドラシルの根元には世界を囲むようにウロボロスがいるので、EXOの世界観と深く関わりのあるウロボロスはMonsterのMVの蛇として登場していると考えられます。

蛇=ウロボロスという理由付けができたところで、ウロボロスは何を暗示しているのか推測するためにウロボロスについてググってみましょう。

錬金術では,宇宙の万物が不純な全一(原物質)から出て変容を重ねた後,純粋な全一(賢者の石)に回帰する,創造・展開・完成と救済の輪を示すのに使用された

ユングによれば、錬金術の文献において、(中略)男と女、太陽と月、ヌース(精神)とピュシス(自然)など対立する二つのものから成っているが、同時にまたこの対立物の合一の象徴でもある。それは一方では死をもたらす毒、バジリスク(息や眼光で人を殺したといわれるギリシア神話の怪獣)にして蠍(さそり)であり、他方では万能薬であり救済者である

循環する円は,あらゆる動きを示し,統合と分割,再統合,進化と退化,成長と退行,生と死の過程など永遠の時間の象徴として知られている。 ヘレニズム文化の中で考えられ,さらに錬金術で用いられた永遠の時間を表すものに,自分の尾をかむ蛇の図形があり,ウロボロスと呼ばれている。永遠にみずからをのんで成長を繰り返す循環的な時の経過や,原初的混沌(こんとん),またはあらゆるものを包含する一者を表す象徴として知られ,すべての数,または点の総合として,数の10八角形ともかかわっている。

0は一般に非存在を意味するが,すでにその中にあらゆるものの存在を暗示する場合が多い。全体,混沌,永遠,循環,生と死などを含み,しばしば蛇が自分の尾をかむ象徴的図形(ギリシア,ヘレニズム文化圏ではウロボロスとよばれたもの),あるいはそのバリエーションで表される。

ゲルマンの叙事詩ニーベルンゲンの歌》に登場する英雄ジークフリートも竜を殺す。これらの竜はいずれも無意識・混沌を示す円環的時間(進歩のない歴史)の隠喩であり,ギリシアではみずからの尾を嚙む竜ウロボロスで表された。

ユングは、ウロボロスを「プシュケー」の象徴としました。プシュケーとはギリシア語で「魂」を意味し、ユングのとらえ方では「自我」と「個人無意識」、「集団的無意識」を包括するものです。言い換えれば、個性を持ったひとりの人間の精神全体ということです。

永遠の時間の象徴、無意識・混沌を示す円環的時間、個性を持った人間の精神全体、対立する2つのものであると同時に対立物の合一の象徴、、さすがウロボロス、色々象徴してますね。
EXOの主題として「Beginning=End」ってのがありますが(PathcodeやTempo参照)
これがまたウロボロス的概念ですね。
MonsterのMVにおけるウロボロスもEXOの主題でもある永遠の時間、進歩のない円滑的時間というようなことを表しているとすると、タイムトラベルを繰り返してもループの輪にはまってしまうことを暗示しているのでしょうか。

メンバーの役割

【チェン】
デロリアンと同じく車を媒体とし逆行するのではと前述しましたがデロリアンは何が燃料となりタイムトラベルできるんでしたっけ…?
そう、です。
EXOにもいますよね、雷を担当している人。
チェン氏!
MV中どの場面でもやたら後ろでピカピカ光っている(フラッシュ?)のも雷の暗示なのではないでしょうか。
精神世界のチェンが現実世界に干渉しているのかもしくは現実世界のチェンが超能力を使えるチェンなのかわかりかねますが(ガバガバ考察)、チェンが雷という超能力を用いてデロリアンもといベッキョンが運転している車をタイムトラベルさせていると予測します。
=タイムトラベルの燃料の役割は雷の能力を持つチェン

【ベッキョン
f:id:thepowerofdream:20200818003641j:plain
MV(曲)の出だしからベッキョンがキーパーソンですとめちゃくちゃ伝えてきてくれてますが、ベッキョンは現実世界に精神世界の姿(ビジュアル)で登場している唯一のメンバーなんですよね。
現実世界と精神世界が異なる次元であるとすれば、超能力が光であるベッキョンだけが次元の移動が可能であり(特殊相対性理論において光速は時空の移動が可能)、光によって錯覚を生み出せる(POWERの能力説明より)ので敵を欺くことができたのではないでしょうか。ベッキョンは精神世界から現実世界に赴き、敵に扮して車を運転=タイムトラベルを実行したと推測できます。
=精神世界と現実世界を繋ぐ役割のベッキョン

【シウミン】
シウミンはMV中のモチーフが電話です。
f:id:thepowerofdream:20200818004550j:plain
公衆電話を使うモーションというのはEXOのデビューティーザーにも登場していました。ティーザーの内容的にはセフンが受話器を取る→別の部屋に流れる音楽が流れる→受話器をとったセフンが別の部屋にいるセフンと踊る(セフン2人いる)→カイが踊る→セフンが受話器を取るのループになっているんですよね。これもまさにウロボロス的「Beginning=End」であり、受話器を取ったセフンは別の部屋(=別の空間)の音楽を聞いたわけです。
つまり電話とは別の空間、別の次元と疎通する手段であると考えられます。MV撮影ビハインド映像を見ると精神世界のシウミンも受話器を耳に当てているシーンがあるということもあり、上記画像の場面は現実世界のシウミンが電話を通じて精神世界のシウミンに危機的状況であることを伝えている場面なのではないでしょうか。
全考察好きのEXOペンが知っているであろう、MVの最後でベッキョンの後ろにシウミンが座っているシーンは、もしかしたら現実世界のシウミンから状況を聞いた精神世界のシウミンがベッキョンにそのことを伝えているシーンであると考えることもできますよね。
=電話で精神世界にアラートを上げるシウミン


EXO Teaser 13_SE HUN (2)


EXO Teaser 14_KAI (5)

【ディオ】
ディオは監視カメラがモチーフです。Pathcodeの時など、ディオはEXOの世界観のうち「監視者」を担当していることが多いように思います。いつもEXOメンバーをを見ているんですね。
でも監視カメラは赤いライトがあるので「赤い気の目」でもあります。
MVを見てみるとスイッチを切ることで監視カメラの「赤い気の目」が消えるという流れで、我々視聴者にはこのスイッチが監視カメラのスイッチであるという解釈を与えるような構成になっています。
スイッチはいつ誰がどこで何をなぜどのように切ったのでしょうか。5W1Hですよ。
「何を」に関してはゆがんだ捉え方をしない限りは「監視カメラ」ですね。「誰が」もMVを素直に受け取ると「ベッキョン」であると思われます。「なぜ」は悪である「赤い気の目」から逃れるため。
ベッキョンが「赤い気の目」から逃れるために監視カメラのスイッチを切ったとすると、EXOの監視者でもあるディオはなぜ監視カメラがモチーフとなっているのでしょうか…。わけがわからないです。一生疑問が生まれ続け解決もしないので一旦ここで終わります。
しかもこのスイッチ、導線?配線?の下の部分が切れていませんか?側面には「16-03433」という番号がかろうじて見えます。一体何なのでしょう…。
f:id:thepowerofdream:20200818115815j:plain

すでにめちゃくちゃ考察されているMメンバーの裏切り説や二重スパイ説正しいと思うんですがここでは私の力量及ばず触れることができません…。

f:id:thepowerofdream:20200818003203j:plain
f:id:thepowerofdream:20200818003221j:plain
f:id:thepowerofdream:20200818003259j:plain
こんなの絶対チェンとレイなんかあるやん。(2人だけモザイク処理、敵が倒れている場面、車の中からベッキョンを見ている)(いわゆる最後の晩餐シーンで唯一立っているチェンについては監督から誰か立ってみようって言われててあえて立たせた訳ではなさそう)

f:id:thepowerofdream:20200818003352j:plain
こんなの絶対シウミンなんかあるやん。

EXOが12人だった頃にMonsterのMV構造が練られていたとしたらベッキョンの役割はタオ(超能力:時間)が担って、ディオの役割はルハン(超能力:念力)が担っていたのだろうな…。

 

 

ストーリーの時系列整理

f:id:thepowerofdream:20200818115144p:plain

①モンスターになる世界線
すでにEXOペンなら全員知っている逆再生されている燃える車
車の上で襲われていた炎担当のチャニョル氏がモンスターとなってしまって能力を使ってしまった結果ですね。これもまた考察好きなEXOペンはご存知の事実ですが単独ショットの車内にいるチャニョルがよく見るとオッドアイになっています。
また、EXO全員がモンスターになったわけではなく、モンスターとなったのはカイ、セフン、チャニョルだけだと推測します。
理由としては2つあるんですけど、1つ目は「手」を怪我しているのがこの3人だけだったからです。アナ雪のエルサは手袋をすることで能力(魔法)を抑制していますし、イエスは怪我人に手を翳すことで奇跡を起こしましたし、ミスターマリ◯クも「ハンドパワー」と言ってます。手=能力という謎の人類共通認識、ないですか?そんな感じで手を怪我している=(これから)能力を使うという暗示だと考えたからです。
チャニョルくんの指には何か文字が書いてありますしね。(解読不能
f:id:thepowerofdream:20200818111641j:plain
2つ目の理由はMV中の敵が倒されている(っぽい)シーンが3人の能力と関連するシーンのみだったからです。燃える車のシーン=炎のチャニョル、軍の人が飛ばされるシーン=風のセフン、瞬間移動のカイはまあ…瞬間移動で敵をみんな倒したんでしょう。(やはりセンターはチート)
ここでスホについても触れておきたいのですが、スホだけ「手が汚れているスホ」と「手が綺麗なスホ」が登場するんですよね。加えて全メンバー敵から痛めつけられるシーンがありますが、そのシーンもスホだけ現実世界とは別のスタイリングになっています。絶対何か理由や設定がありますね…いつか追記できたらなと思います…。
f:id:thepowerofdream:20200818111719j:plain
f:id:thepowerofdream:20200818111737j:plain
こんな感じでBADENDですね☺️
=カイ、セフン、チャニョルがモンスターとなり敵味方関係なく倒してしまう

②モンスターにならない世界線
モンスターになる世界線で前述の通りシウミンがアラートを上げ、ベッキョンが現実世界に赴くことで「狼煙を上げる」ところから世界が再スタートします。
ベッキョンが敵に扮し現実世界にいることにより「EXOが捕まり車に乗る」という行為が発生し、タイムトラベルをする=モンスターになるのを回避したというストーリーを組むことができます。
モンスターにならない世界線はモノクロ部分で表現していると推測するのですが、例えば精神世界が警棒で荒らされる逆再生の時計のシーンもモノクロ部分だと逆再生でない上に警棒が映ってないんですよね。なのでモノクロ部分=モンスターにならない世界線だとすると、MVの最後の9人が肩を並べて解放されたような後ろ姿もモノクロ=モンスターにならずに解放されたEXOの姿であり、ハッピーエンドでMVが終わったように捉えることができます。